手紙
弟の学費を工面するために強盗殺人を犯し、無期懲役で服役している兄。
加害者の弟家族への消えることのない、偏見、差別の中、「償う」「赦す」というのは一体どういうことなのかを考えさせられる、東野圭吾原作の社会派ドラマです。
この映画は本当にしんどい。
どんなに頑張っても、直貴からは「殺人犯の弟」というレッテルが剥がれることはない。
自分の妻や子供にまでも。
ある手紙を受け取り、直貴の素性を気にかけた職場の会長の言葉がある。
「加害者家族は差別されて当たり前。差別の無い場所を探すのではない。君はここで生きていくんだ。」
母を殺した犯人から絶えず手紙が届けられる被害者の息子の言葉がある。
「君の兄さんは服役することだけが罰なのではない。家族が受ける苦しみも含めて罰だ。」
一度は兄を捨てた弟。
でも、自分の学費を工面し続け、親代わりとなってきた兄への愛情を本当に断ち切ることができない。
だから苦しい。
刑務所のステージに立つ弟の姿に涙を流す兄の様子は、涙なしでは見ることができません。
(玉山鉄二の演技が光ります。)
最後、映画的には美しくまとまってはいますが、この先も消えることはないであろう直貴とその家族の試練を考えると、絶望感でいっぱいになってしまう自分がいる。
この映画は気軽には見ないほうがいいと思ったほど、しんどい。
でも、沢尻エリカさんはいい女優さんなのにな、と思ったり(笑)。
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